人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 pasticciona アリーチェ

バス停の側。野暮な視線も度々感じる人が行き交う歩道で、
警察官は腰の曲がったお婆さんの話を困り顔で聞いていた。

「ええ、ええ……わかります、お婆さん。
 私もこの間、スーパーで1週間分の食材をカゴに山積みに
 したときに限ってお財布を忘れてしまって……」

「え?お前の話は聞いてない?
ご、ごめんなさい……

 はい……確かに、詐欺と疑われて傷付きましたよね……
 でもこのバスを逃すと、ほら。
 お孫さんとの待ち合わせに遅れてしまい──……あっ」

ずっと老婆に差し出し続けていた往復のバス代は
その言葉を聞くやいなや乱雑に鷲掴みにされ、
老婆はふんぞり返るようにバスの中へと横柄に去っていく。

行動の速さに呆然としながらもどこか安堵した様子で、ふぅ、と力ない笑みを浮かべながら去り際の老婆に声をかける。

「Buona giornata」いってらっしゃい。よい一日を!

#街中
(50) poru 2023/09/08(Fri) 23:10:27