>>33 ニーノ
勿論許す……というよりも、
こちらから差し出すように身を屈めたのだから当然のこと。
つつかれた黒猫は、男の前髪で小さく揺れた。
「はは、ありがとう」
「けどね、君が付けたいと思うなら付けたっていいんだ。
なんならお揃いにするかい?……なんてね」
似合うことが当たり前だと言うように自信満々な様子で礼を言い、
屈めていた身を戻して片目を閉じ笑う。
冗談ではあるがそれも悪くないと考えているのは事実だ。
「…いや、これは贈り物なんだ。
これに限らず最近使っているピン留めは全て贈り物でね」
#街中