【人】 綴 千翠― 海の家 ひとなつ荘 ― …すう、 [店に入る前は喉元に手をあてそっと深呼吸。] ───お疲れさまです。 追加分の冷やし中華、持ってきました。 [誰ともなく周囲の皆に声掛けをしながら、厨房へ向かう。 慌ただしさの中、あちこちで頭をスイングさせている 扇風機と、その風を受けるたびに鳴る、微かな風鈴の音。 その独特の、どこか懐かしいような優しい感じは過去、 病院を抜けては通っていた時と変わっていない。 とは言っても、当時私が顔を出していたのは いつも夕方で、人がまばらになってからだったから、 日中の人混み、熱気はこうやって店を 手伝わせて貰って初めて知った。] (50) 2022/07/27(Wed) 18:41:41 |