【人】 夜の一族 チャンドラ>>51 ポルクス 「大事な用事。ええ。 わたしが勝負に勝ったから、そのご褒美を貰うはずだったの」 こびりついていた寒さが、スープを飲むと少し緩和する。 体の芯から冷えていた分、そして空腹で体力が減った分。 そのふたつを同時に、暖かいスープが満たしていく。 「持病、じゃないわ。……あなたには迷惑をかけたもの。 わたしは本当は、夜じゃない時間には活動が出来ないの。 夜に愛されているから、夜が嫉妬をするのね。 何かを食べないと、すぐにお腹がすいてしまう。 使用人には、伝えていたんだけど……あまり心配をかけたくなくて」 他にはほとんど伝えていなかった。 広間にいる間は、ずっと食事を行えていたからよかったのだけど。 スープで少し回復して、わたしはリゾットにも手を伸ばす。 (52) 2021/10/21(Thu) 0:58:58 |