【人】 三谷 麗央――廊下―― [>>48 指摘する一言に、仕方ないと笑いを返す。たしかに随分楽しんだものの、あくまで一夜の愉しみでしかなく、後に引きずる事でもなかったから。 それは玲と名乗った彼女も同じか。 くすくす笑う様子が可愛らしい、と―― そう、一年前に感じたことを思い出した。] 思い出した。 名前なんて要りますか? って言わなかったかな。 それでこっち、言いそびれたんだ。 [玲が黒髪を揺らす様子もまた同じく。 長さもあの時と変わらずに見えた。] 俺は、麗央だよ。 今日は一人で来たんだけどね。 機会があれば、また、よろしく。 [名を告げて、玲の返事を待つ。 再会といえ、所詮はゆきずりの相手。 深く尋ねるつもりは今のところ、無かった。]* (52) 2020/08/08(Sat) 20:48:44 |