![]() | 【人】 七川 惺──回想── [俺は その 直前まで機嫌がよかったんだ。校庭の芝生に二人で並んで座っていた。>>46 グラウンドのバックネット近くには程よい木陰があった。 晴れているのに、そよ風が小枝を揺らす心地よさ。 葉擦れの隙間に光が漏れて、悠凛の髪を照らす。 何度でも手を伸ばしたくなる輝きだった。 戯れに、髪を梳かせてもらったこともあった。] 替えの利かない“一部”か…… [悠凛に不満をぶつけるのは間違っている。 わかっているのに、反芻する俺の声は籠もった。 通行人もダメって言われたんだよな、俺。>>0:37 俺は舞台を構成する“一部”になれない。] (52) rin 2025/08/20(Wed) 22:47:06 |