【人】 9949 普川 尚久>>47 南波 礼も好きの言葉も軽く流した。人の機嫌を窺っているのかいないのか、よく分からないかもしれない。前々からだが。 「普段なら、別に何も要らないよって言うけども……」 硬質な音を響かせる指輪をちらちらと見たり、余所を見たりと視線の動きは落ち着かない。 「ひどいこと、は……とりあえず痛いことかな」 ほんの一瞬、朝倉に視線が行った。彼の発言が理由だろう。 「言うて、多分、…普通じゃない? 嫌なことをするのは、ひどいことと違う?」 「……そういう需要のある場所だからだろうけど、 僕がここにいるんて」 いやそうな顔をしているが、嫌よりは面倒そうなオーラが駄々洩れている。 (53) 2021/09/15(Wed) 23:32:31 |