【人】 夜の一族 チャンドラ>>53 ポルクス 「……彼について、教えてもらうはずだったの。 でも、そんなこと言って後悔するって言われたわ。 わたしが部屋にいなかったら、怖気付いて逃げたみたいじゃない」 食べ進めるうち、リゾットの味も分かるようになる。 染み渡るように、美味しかった。 「そうね、案外嫉妬深くて……。 ……ポルクス?」 頬はまだ冷たいけど、少なくともさっきまでほどじゃない。 わたしは少し考えたあと、さっきまでよりしっかりと笑った。 「ごめんなさい、本当に。心配をかけたわ」 (54) 2021/10/21(Thu) 9:10:12 |