【人】 灯集め ラキ>>45 ミン 「灯火売りのアイツも、見ないうちに 大層甘い言葉を吐けるようになったからな…… 今だけは猶更、逢わせないようにしなくちゃならないね」 いやいやお世辞なんかじゃない。そも、何か売れる立場じゃないから、褒め言葉は安心して受け取って? そんな自嘲気味の、苦笑交じりの顔を向けて。 「ランタンは行く先を照らす道の標。 導きたい方向に誰かを連れていくことだってできる代物。 ……もしこの街を気に入ってくれたら、 気が向いたときにはまた何度も足を運んでくれよ。 いまレッヒェルンに売られてるランタンよりも、 もっとずっと素敵なヤツを君に見せてあげるから」 手に持つソレをひたすら上機嫌に揺らして見せる。 溢れる愛着、それは言う通り、 彼自身の手で造った、さしづめ自信作といったところの証。 「勉強のやり直しは、それもまたいいね…… ランタン以外のことだったら親父もうるさくないだろうし。 それこそ──ランタンへの情熱が薄まったときにでも」 (55) 2022/03/24(Thu) 10:50:21 |