【人】 狡兎 ツィオ>>50 リカルド 「へえ、昔に比べたら随分と瀟洒な返しするようになったな」 ・・ あのリックが、と思えば互いに背も伸びるはずだと嗤う。 舌が回るようになったのならばあの上司と付き合うこともまあ、 こいつにとって悪くはないことなのだろうと思った。 「見分を広げるためにも、また付き合いなよ。 リックの言うところの、益体のない女付き合いにさ。 全く嬉しくないだろうが、俺から見てもお前の顔は、 商売女ほど忘れてた夢を思い出す顔をしているからな」 からかうように言うと、続く返答に目を細める。 成程、随分と腹芸も上手くなったな。 その可能性を誰より先に思い当っていて、 あれだけ冷静な指示を飛ばせるとは。教育の賜物か? 「……手を汚したやつが別にいるにしろ、 恐らく、十中八九内部に手引きした奴がいる。 可能なら。マウロより先にそれを見つけてくれ。 内部に対してだけ、あいつに口火を切らせるな。 ……口火を切ったやつは多分無事でいられない。 適当な、死んでもいいやつを当ててくれ」 軽薄な笑みのまま、瞳の奥にだけ真剣みをにじませ言う。 「昔のよしみの範囲でいい。 苦労掛けるな、Sig.babysitter」 (57) 2022/08/10(Wed) 15:06:49 |