【人】 不覊奔放 ナフ>>57 ルヴァ 目の前で離された銃を、見はするが隙ができるほどではない。 戦う際、男はもはや考えてなどいない。一瞬一瞬を繋ぎ合わせて動作としている。あなたとは違い、むしろ考えたらそれが隙である、ような。 しかして。思考するあなたと試行する男の行動が偶然似通ったのを知ったとき。 男は今までになく、歓喜するように声なき声を上げて笑った 。身体の損傷を度外視して動くのは男もよくやることだ! 「はッ………、ァ、」 たのしい。あなたはきっと男からそれだけを感じ取れるはずだ。 振り回される腕にせめてとナイフを大きく振るう。刺さったとしても、突き飛ばされてそれはすぐさま抜けるだろう。もし仮に刺さっていたとしたら、抜ける際に傷を大きくするかもしれないが。 蹈鞴を踏んで後ろへ数歩。全力の腕に当たってしまったからには、男も無事とはいかない。頭は避けたものの、胸に、肩に、酷い痛みを感じる。肩なんかは、さっきの傷が更に悪化したような。 「あは、」 男は笑っている。 (58) 2021/10/17(Sun) 23:24:53 |