人狼物語 三日月国

124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】


【人】 “観測者” 処暑

―― 会合の時 ――


[ さて、会合の時間になれば、一度賑やかさは鳴りを潜めることとなる。
 会合が行われる部屋は飾り気もなく、格式ばった場であることを主張する。
 円卓の、立秋の彼と白露の彼女の間へと座り、立秋の彼の隣に“蛍”がいるならじっと見つめたりして。
 そうして会合は始まる訳だが。

 常の私を知っている人なら分かる通り、私は会合に真面目に向き合う方の灯守りではない。
 出席率自体は良いし、会合から逃げている訳でもないが、
 会合の最中、とにかく意欲がなさそうにしている様子が分かるだろう。
 統治域のこともよく知らないため、部下である処暑域の行政職員がまとめた資料を淡々と読み上げるのみ。面倒な時には読み上げることもなく、ただ提出するだけで進行役に押し付けることもある。意見を聞かれても、特に言えることがないので沈黙。
 時折何かを熱心に書いている様子も、議事の記録ではなく、個人的な“日記帳”。
 妙な方向に目を遣っているのならそれは、会合における他灯守りや蛍の様子を観察しているだけだ。

 否……会合の内容に興味がない訳ではないのだ。
 他統治域の話や、他人から見た世界の話を聞けるのは興味深い面白い
 それに、『人々を守る灯守り』としての一面が見られるのもこの場。
 故に会合が嫌いという訳ではない、が。
 統治者、そして灯りの管理者として真面目に向き合っているかと言われれば、答えは否。
 他人事なのだ、何もかもが。

 だから会合の内容を持ち帰って下に伝えることもなく、また後日、処暑域から中央に対し議事録の請求が行くだろう。
 こうして中央にまた無駄な手間が増えていく。
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(59) hoshine_k 2022/01/19(Wed) 15:30:55