【人】 流星の騎士 ヌンキ>>57 キファ ちくり、ちくりと胸が傷んだ。 もう聞きたくないと思うほど。 「俺がもし――――君に祈りを届けなければ、君は誰かに恋をしていたのかな」 抑えていた想いが口から溢れて眉を寄せた。 最初で最後、二人ででかけたあの日の笑顔を思い出す。 ほしいのは感謝じゃなかった。 そんな事、思う資格もないのに。 そんなものは、俺にはひとつも要らないのに。 開け放たれた蓋はもう戻らない。 愛なんて、俺は知りたくなかった。 「生きてる……そっか、それはよかった。 ねぇ一つだけ聞かせてくれ。……今、君は幸せを感じているかい?」 (59) eve_1224 2021/04/23(Fri) 11:38:21 |