【人】 薬屋 テレベルム― 真珠堂 ― [祝祭の二日目は稼ぎ時であるから、店を開けるべきなのだが 少なくともこの状態で訪客を受け入れる訳に行くまい。 朝食を取るどころでは無いが>>53不思議と腹は減るもので。 けれど今胃が求めたのは出店が常では無い出店の ちょっとしたオードブルや好物のパイではなくて、 喧嘩とも呼べぬみっともない有様を見せたくない恩人の 滞在期間に口にした、心尽くしの手料理であった。 長寿の人魚が死の予兆めいた記憶辿りをするなどと 春を求める渡り鳥では無く、不吉な鴉でも哭きそうだ。] …、…まだ、開店、前 [床に転げた無様で、傍らの扉が傾ぐ音を聞く。>>54 訪客の顔を見る前の制止であったが、 魔術師の張り詰めた声>>55を聞き、息を飲む。] (59) 2021/12/12(Sun) 12:20:05 |