人狼物語 三日月国

45 【R18】雲を泳ぐラッコ


【人】 二年生 小林 友

[『赤いろうそくと人魚』は
 相も変わらず本棚の一角に収まっていた。
 いつもの通り、背表紙に手をかけて
 棚から引き抜こうとしたその時─────

 横合いから
ズァッ!
と真っ黒な影が現れて
 本を取る俺の手の上へと手を伸ばそうとしたのだ。]


  
おヒ─────っ!!!!



[俺は思わず悲鳴を上げて飛び退いた。
 見れば、身長同じくらいの、影だけが
 ぬぼーっと俺の真横に立っている。

 何これ、どんないじめ?祟り系いじめ?
 影は物言いたげに本棚へと手を伸ばすけれど
 俺はもう、正直、キャパシティオーバー。
 シャカシャカと床を這いずって
 出口の方へと逃げようとする。]
(60) 2020/09/27(Sun) 22:08:45