【人】 不覊奔放 ナフ>>59 ルヴァ 知らない話だが、知ったらきっと酷く笑っただろう。機嫌良さげに。目的に対して容赦ない様子は好きだ。 男は、あなたが楽しいわけがない、と知っている。ひとに興味がないのだ、自分の楽しみに付き合うのが楽しいはずがない。ひとに興味がないから、痛みも血肉も好きなはずがない。 あなたは頭がいいから、約束を破るより守った方が面倒が少ないと思っている、と思っている。 男がぼんやり抱くのは、律儀だな、という感想のみ。 それも愉悦に押し流されて。 笑みの圧に負けるくらいならば、こんな勝負を仕掛けていない。構え直すまでは数秒くらいあるだろうか?ならば、男にとっては十分な隙だ。 そうでなかったとしても、男は蹈鞴を踏んだ3歩目で跳ね飛ぶ。高く、と思わせて、低く。次には高めに。狙いを付けづらいように。ぱたぱたと血の雨が降る。これには何の効力もないが、ただ重力に従って降っていく。 最終的に着地するのはあなたの眼前。もしそこまでの接近を許してしまえば、近過ぎて腕を振り回すのも困難なのではなかろうか。 男はといえば、横から水平に差し込むように、ナイフをあなたの首へと突き立てようとするだろう。 (60) 2021/10/18(Mon) 1:07:21 |