【人】 巡査長 清和>>52 添木 「はは……踏んでる場数が違うんだよ。背広組とはな」 などと言っているが、現在進行形で頭痛に悩まされている男である。 清和は宵闇家でピアノ勝負をしてから、二次会に合流したのもあり、 最初から散々飲んでいた添木よりは、酒を飲んだわけでないのかも。 それでも相当飲んでいたのだが、涼し気な顔の理由にするのは適当か。 可愛い後輩の前では、いつだって憧れの先輩でありたいのだ。 添木には憧れの先輩らしくないところも相当に見せた気もするが。 買い出しに行ってくると言われれば、そうだな。と逡巡して。 「……少し、俺が住んでた家があった場所に行ってみるよ。 おばさん……カケルの母さんとあったら、俺も懐かしくなってな」 いつもより、どこかアンニュイな雰囲気を漂わせながらそう答えた。 (61) 2021/08/13(Fri) 22:27:16 |