【人】 “観測者” 処暑[ こうして人の手の入った食べ物を食べられるようになったのだって、もしかしたらあの訪問がきっかけなのかもしれなくて。 ……色々言われたけれど、その時はおむすびは断るつもりであったのだ。 だけど、もし彼女がおむすびを差し出してくれていたなら、なんだか食べられる気がして、震える手を伸ばして。 ……誰かが作った――この場合は握った、だけれど、そんな久しぶりの食事に、ひとつだけ、涙を零した。 ] [ 今は、会合の中央の食べ物と、灯守りと一部の蛍の作ったものならば、食べられるようになった。 それ以外は未だ、だけれど。* ] (62) 2022/01/22(Sat) 1:58:10 |