【人】 学生 五反田 健吾─ いつかの雨の日 ─ [ 軽く会釈をして通り過ぎる男>>58。見ない顔だから下か上だろう。彼があのピアノを練習していたのだとなんとなく脳裏に仕舞い込んだなら、立ち去るのを見守るように少しだけ目線で追った。 なにかに打ち込んで努力をする。自分にはそれが出来ないから、少しだけ羨ましい気持ちはあったのだ。けれど声をかけるようなことはしない。自分は口下手だし、そこまでの興味を引かれていない。 目線を外せば旧音楽室の前を通って図書室へと向かう。彼と出会うことはこの広い校内そうないだろう。数多いる生徒の一人だ、自分も彼も。*] (64) 2020/11/21(Sat) 19:11:46 |