【人】 クラヴィーア ― 回想:お客さん ― [人生というのはいつの時も、タイミングというのが良い時と悪い時がある。 その日はきっと後者だ。 まさに、好いた相手の家にいて、お手洗いから戻る時に女性を見てしまったのだから。>>60 とっさに隠れて聞こえない場所に移動するべきか迷った。だけどその女性の雰囲気が仕事の関連の人じゃないよな、とわかって。気になった私は悪い子だったんだと思う。 「Albert...」 その言葉を私が今まで聞くことはあっただろうか。 知らないままだったのなら、疑問符が頭に浮かんだだろう。 訛り言葉が少し聞き取りにくい。 アマミさんは明らかに拒絶の雰囲気だ。>>61 それに少し安堵してしまった。 彼女の話が耳に入る。入れてしまう。>>62 彼が貴族だったのは知っている。それ以上の家族の事は聞けていただろうか。] (64) 2021/03/31(Wed) 21:30:50 |