【人】 メカニック ゾズマ【凍結中:コールドスリープルーム】 [うつつに在る者に対して、夢の中でただ見届けるだけの身にできることは無い。悲しいくらいに、何もない。 この時のゾズマには、けれどひとつ、“やれること”が頭の中にあった。 眠りに就いたふたりの姿が、自分たちと同じように幽霊じみたカタチをとって現れたならば――まず真っ先にスピカを怒ってやりたい、と。 それが追い詰められた結果と理解してはいても、見るに堪えないあんな情けない姿を知ってしまった手前>>5:+127>>5:+128、「馬鹿」のひとつくらいは、ちゃんと彼女に聞こえる形で言わせてほしい、と。 「馬鹿」の勢いが余ってぎゅっと抱きしめてしまうかも、とまではこの時は考えなかったけれど。 結局“最後の一人”にならなかったバーナードに、あの時の“遺言”>>1:374は結局読み上げなくて済んだね、なんて努めて笑って言ってのけるのは、その後になってしまうだろうけれど。 救助が来て生きのびられたならまたスピカと――望むなら他の面々とも――工具マルシェでも行こうなんて軽口を飛ばすのは、それよりもっともっと後になるだろう、けれど。**] (65) 2022/07/21(Thu) 15:04:38 |