【人】 緑山 宗太朗>>46 あれ、と荷物を回収されればほんのちょっぴりだけ眉を下げた。 俺もっと重いの持てるのに…… という、男の意地張理のお話。重かった荷物の代わりに『自分にしかできない仕事』を頂けばニコニコと上機嫌。 すぐ機嫌が戻った……むしろ元より機嫌が良くなった様にも見える。 単純な男であった。 「ハーイ」 ちょっと間延びした声で了承を返せば、しっかりと差し出された手を掴む。 「んじゃ行こうぜ〜」 と、えっちらおっちら歩き出す。 さっきはちょっと間が開いていたかもしれないけど、今度は相手に歩幅を合わせて目的地まで行くつもり。 小さなお散歩の開始。男の鼻歌に鳥の囀りが、調子の外れた合いの手を入れていた。 (67) 2023/03/01(Wed) 6:56:29 |