【人】 澤邑…… [ 縁側に腰掛けて、真っ白な柔らかな毛に絡みついた小さな葉っぱのかけらなどを取り除いた後、よく絞った湿った布で拭っていく。 その後は手足を摘んで、指の間の泥などを落としていくと、その都度不満ですよといった声を上げるのが可愛らしい。 まだ怒りとかではないようだ。 んなと声が上がるたびに、ごめんね後少しなどと言葉をかけてしまう。] もう少し練習したら花見に行くぞ [ 声をかけたところで通じやしないが、そんな言葉をかけて。>>59薄墨神社の階段を上がって参道を行けば、灰色の石畳に薄紅色の桜がすごく映えるのだ。 今年は三神さん縁の子が踊るそうだし、それとは別に>>28旅芸人も毎年訪れるからすごく楽しみだ。 こゆきはじっとしてられるだろうか、さすがに人混みは手綱を短く握って抱き抱えていよう。怯えてしまうかもしれないから、商店街を歩く練習もする。 ついにうとうとして膝の上で眠ってしまったこゆきをそうっと抱えて自室へと連れていく。 濡れた布をそのままにしていたから後で小言を言われてしまいそうだ。 まだ片付けられずにいるこたつに腰掛けてこゆきを膝の上に下ろした。まだ起きずに眠っていただろうか。 昨日読みかけにしていた本が近くにあったから眼鏡をかけてそれを読み始める。**] (68) 2022/04/11(Mon) 2:12:25 |