【人】 狐娘 レイ―― 婚儀の日 ―― [婚儀の参列はやがて新しい村へとたどり着く。 村の中央には広場があり、作られて間もないだろう家々が広場を囲むように点々と建てられていた。 手伝いの者たちが各部屋へと荷物を運び始める。 手伝いをかって出たものの、 婚儀までにはもう少しあるからと休みを言い渡されてしまい、辺りを見回していれば、川からも大仰な荷物が運び込まれていた。 その荷物の中には、紐で縛られたままのジャヤートもいて。>>56 その光景にくすりと笑ってしまう。 奔放な彼のこと、またお父上と揉めたのだろう。] また一段と大きな荷物ね、ジャヤート。 ……今度は何をしたの? [荷物の端に佇むジャヤートの前に腰を下ろして、話し相手の一つにでもなればと声を掛けた。*] (69) 2021/12/02(Thu) 21:49:58 |