【人】 分校教諭 添木 卓郎[ それなのに、自身の口から出たのは 「また、後でな」の言葉。 ──林間学校の最中に雛市の逃走事件があり、 彼らの青春の一幕に傷が付いた、と思った。 自分がその傷をつけた一人なのだとも。 ──だが、奴らはとっくに過去の事を 受け入れて次に進んでいて。 ずっと過去を引きずり、泥沼に嵌っていたのは 俺自身だったのだ。 こんな心の内など彼女に伝えられる訳もなく。 放たれた一言は彼女にどう伝わっただろう? ふと冷静になってそんな事を考え ]*そして激しく後悔するのはこの二日後、 タロット探しのリミットも差し迫った時刻に なってからだった。 (69) 2021/02/08(Mon) 21:33:14 |