【人】 3年生 黒崎 柚樹現実、そのまま、みたいなんだけどな……。 [広大な森を見下ろす大きなガラス窓の向こうは、青空に白い雲。木の葉ずれも微かに見てとれるら、風も吹いているようで、それは先刻までと何ら変わらない姿。 そういえばと振り返った客席は、満席だったはず。 なのに、開店前の光景のように、各テーブルは艶やかな卓面を光らせているだけだった。 料理が無い。空き皿も。グラスさえ。 なのに、自分たちのテーブルにだけオムライスやパフェやケーキを平らげ尽くした残骸が残っていて、その違和感に背筋に冷たいものが走っていった。] (71) 2022/09/04(Sun) 6:44:30 |