さっちゃん。…少しは、落ち着いた?
[ゆるゆると手遊びに艶やかな黒髪を梳いて、打ち震える彼女の耳元に囁く。
咲夜とのことも、所詮は時間稼ぎに過ぎない。
言動から、拓かれ尽くしたらしいと知る彼女の身体、
また妖の心ゆくまで弄ばれるのだろうと、容易に想像は及ぶ。
彼女はさっき、何と言ったのだったか。
地元民には聞き慣れた伝承と共に、記憶を探る。
───そう、確か。
愛でられる役目を終え、心を囚われなければ帰れると
>>16]
ねぇ。これ──…どのくらい、続くのかな。
[彼女の身体を後ろから抱き直して、肩口に顔を埋めて問う]