【人】 “観測者” 処暑[ 夏の終わりたる私と、冬の終わりたる彼女。 位置は似ていても、性質としては一番遠い号同士。 真反対であるから特別意識はしてしまうのだろうけれど、先代に感じていたことを、彼女にも感じてしまうかもしれない。 “春の始まり”は少し眩しく映る、と。 特に彼女は年若い上に、まだ灯守りになったばかりであるから。 春の明るさを、余計に感じてしまうのかもしれない。 実は、少々“春”の灯守りたちに、なんとも言えぬ苦手意識のようなものはある。 さて、ところで。 私は彼女に名乗っていないことに気付いていなかった。 一方的に知っている上に、私は自身を傍観者として置いてしまうから。 ……こう言ったところが、人付き合いが下手だというところなのだろう。* ] (74) 2022/01/16(Sun) 5:19:14 |