【人】 2年 三國萌々子[クラスのみんなには担任の先生から 『病気の関係で走ったりすることはできない、通院しているので遅刻や欠席もある』 ということは説明してもらっている。から、それよりも深い事情。] ぼくさ、すっごい小さくて、体の中全然できてない状態で生まれたんだって。普通の赤ちゃんよりも弱くていつ死んでもおかしくない感じの。 それで、ずっと入院してて、薬飲んで手術して、ちょっとずつ普通に近くなっていったんだけど、全然、物凄いちょっとずつだからお父さんもお母さんも疲れちゃって……。 [お父さんはきっとぼくの体をすぐにでも健康に、普通の子と変わらないようにしたかっただけなんだと思う。] お父さんが『精を注げば健康になれる』って言ってる変な宗教団体って言うか霊能者?の言葉に縋ろうとして……、ずっと……お父さんとお母さん……喧嘩してて……。 [その頃の記憶はあんまりないのに、両親がずっと病室で怒鳴り合っていたことだけははっきり覚えている。 怖かった。 自分が原因で喧嘩してるってことはわかっていた、だから仲良くなってほしいから死ぬのは怖かったけど、ぼくがいなくなればいいのかなってずっと、ずっと思ってた。] (74) 2024/11/12(Tue) 14:51:53 |