【人】 ][『月』 エーリク あの、 [ 視線をさまよわせたり、手持ち無沙汰に、 指を組んだり、解いたりしながら ] 僕はいつも、ごめんねとばかり 言っていて。 でも、――あの、いつも ――……ありがとう [ 告げたなら、微笑んで。 けれど多分次の瞬間には逃げ出していたと思う。 言いしれない、恥ずかしさに襲われて。 やはり僕には過ぎた言葉だったかもしれない。 誰かに見かけられることがあれば、 驚かれるかもしれないほど、風より速く。 立ち去ろうととしたことだろう。* ] (75) 2022/12/22(Thu) 23:38:29 |