【人】 教会住みの娘 エヴィ[ 息をするだけで身体中が軋んで、 足は自分のものでは無い重い棒のよう。 逸る気持ちと裏腹に、進まない歩み。 苛立ちながらも歩を止めれば、 ふいに甘さを含んだ風が吹きました。 細い路地の先には、生き生きと揺れる 沢山の花に囲まれてひっそり佇む、 お花屋さんがあったのかも知れません。>>0:12 視線を上げればそっと繋がれる、 小さな家族の手。 ほわりと暖かい掌に、堪えた涙がまた 沸いてしまいそうで、無理矢理微笑んで ぎゅ、と握り返しました。 教会を出て、私は、この子たちは これからどうなるのか、 どうするべきなのか、 未来の音は何も聞こえないままに。 ] (75) 2020/09/24(Thu) 20:53:18 |