【人】 魔術師 ラヴァンドラ制止の言葉は耳には届かなかった。>>59 常ならば綺麗に煌く凪いだ海色はやや伏せられ、 己を見捉えてか、ようやくゆるりと開かれる。>>60 きゅ、と寄せられた眉を痛み所以だろうと思い込み 肩を慰撫されれば へにゃと眉を下げた。 「 そんなの良いよ。 テレベルムの怪我の方が大事でしょ 」 仮に汚れてしまっても、洗ってしまえば好い話。 苦く笑うだけで治癒を拒まない様子を見れば 女は相変わらず自分が痛いような顔で、魔力を込めた。 遠巻きの猫たちには――すこしばかり安堵もして。 (76) 2021/12/12(Sun) 13:26:35 |