人狼物語 三日月国

184 【R-18G】ヴンダーカンマーの狂馨


【人】 警備員 ジュード

[粘液に塗れた男の衣服や髪には
幸い、火が付く事はなかったが、
炙られ気化する毒は
青酸と泥炭の混じったような匂いを伴う。

それは致死的な気体ではないが、
頭痛や吐き気を誘引するには十分な毒素だろう。


……どれだけ、状況を悪化させた後だろうか。


男はゆっくりと立ち上がり、
今度は走る事はなく、緩慢な足取りで
更に北を目指し始める。

何かを壊した子が、肉親に慰めを求めるように、
縋るもの、安心できるものをもとめて
『兄』を収めた水晶宮へと。*]
(80) CONBE 2022/11/12(Sat) 23:58:15