![]() | 【人】 Commedia ダヴィード>>79 「へえ?ああ、じゃあ。 習ったらおれにも作ってくれませんか、ペネロペさん。 材料代も出すし片付けもしますから」 もくもくと食べ進めながら、貴方のそんな一言に反応した。 もとよりこの男は人の手がかかった料理が大好きで、外食にそこそこの給金を注ぎ込んでいる節がある。 それが貴方のお手製ならばもっと嬉しい。そんな単純さだ。 「いいなあ、それ。来年にもまたこうやって…… 俺に似合うお酒選んでくれますか?」 今回の選んでもらったカクテルは「傷に沁みないもの」という基準が大いに影響しているだろう。 それを抜きにして、18歳の自分に貴方が何を選んでくれるのかが気になった。 その時に貴方は別の顔をしているかもしれないけれど。 貴方のいつも通りに触れた、あたたかい時間。 子どもはなんだか、泣きたいくらいに嬉しかった。 (80) 2023/09/29(Fri) 21:01:15 |