人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 法の下に イレネオ

>>68 ダヴィード

「なら、お前を捕えないといけないところだ」

軽く笑って言うことには、吸血鬼は人間にとって害である。
ある種の前時代的で、昨今のフィクションのロマンチシズムに置き去りにされた発言は、この男の常だ。とはいえ、本人的には冗談のひとつのつもり。14cm上方から寄越される視線は、冷たいものではないだろう。

「そうか。気楽な休日だな……休日か?」

見た目だけならあなたは学生くらいに見える。
通っていないという話を聞いたことはあったろうか。そうでなくともなんとなく、真面目な生き方をしているわけではないのは察している。
しかし、若い頃のやんちゃはするものだ。厳格なわりに、そういう甘さのある男だった。

「俺は非番・・だよ。やることがなくて、ぶらついてる」

警察特有の言い方で休日をそう呼んだ男は、まだ新しい法案のことを知らない。知ったとて、あなたへの態度は変わらないのだろう​────むしろ渋面を作って心配するのかもしれない。何も知らないのだから。
身内への甘さをそのまま眦に滲ませて、少し覗き込むようにして。

「はは」
「どうした。機嫌が良さそうだな。良いことでも?」

#街中
(81) rik_kr 2023/09/09(Sat) 12:46:47