【人】 アマミ──回想:因果応報── [初めて出会った彼女は、アマミにとっては子供のような子という印象でしか無かった。 例えば、人間一人も殺せなさそうな、ちっぽけで、繊細な心を持つ少女。 そんなクラヴィーアであったからこそ、アマミは彼女の未来を願ったのだ。 人を傷つけるのが怖いことがちっぽけだと言うのならば、それもいいだろう。 人を傷つける事でこびりつく血の臭いも、痛みも、知らない方がいい。 痛みを恐れない者に、未来などない。 「あと3年したら君はいい女になる。」 かつて己が彼女に告げた言葉だ。 人を慈しむ心を持つ彼女は、人を操り功利を貪る愚者などとは違う。 人を想える彼女ならばきっとそうなるに違いないと、アマミは確信を持っていた。 だからこそ、囁かに背中を押したつもりだったのだが.....。] (81) 2021/03/31(Wed) 23:06:20 |