【人】 1年生 工藤美郷[同じ一年同士で親睦を深めようとしていたのかもしれないが、工藤にはその機微を察することはできず。無言のまま書類に視線を落とす。結果として、にぎやかなバスの中、二人の間だけには沈黙が流れていた。 所在なく呟いた言葉>>77は、他の人の声にかき消されて聞き取れない。 それでももしかしたら話しかけられたのかと、] ……私に何か用ですか? [と、尋ねたのと、香坂が今泉へと話しかけたのは同時だったか。>>79 どうやら気のせいだったようだと、再び書類に目を戻す。 時間が気になった。予定より早くても遅くてもいけない。] ………… [バス内の賑やかさが、全てごちゃまぜになっている。無意識のうちに耳に手をやっていた。イヤフォンはまだ見つかっていない。 どこかに落ちているイヤフォンは、たった一曲を何度も繰り返しているだろう。 それは、香坂が好きな歌手>>66の、初期の頃の曲だったかもしれない。]** (82) 2022/09/01(Thu) 19:56:57 |