【人】 元子役 辺世 流[珠梨さんと>>69>>73] 二人で並んで目的のカフェへの道を連れ立って歩く。 黄昏時という感じの夕暮れの中、隣りにいる彼女の顔をちらちらと見る。 (かなりモテるだろうな) 確証がある。黙っていても男がいくらでも声をかけてくるタイプだ。男を見る目さえきちんとしていれば、人生で苦労することなんて多分ないだろう。そんなふうにすら思える。 (そういう僕も、声をかけてるわけだけど) 内心、少し苦笑した。彼女の内心>>70>>71>>72なんて、聞かなければ知る由もない。 でも、ひと夏の恋なんてものはそういうものだろう。 愛想よくして仲良くなって、あわよくばいい思いをさせてもらって、夏が終わってバイトが終わればなんやかやそこまで。 深く考える必要なんて、ない。はずだ。 (82) 2022/07/31(Sun) 20:47:02 |