【人】 蛍籠 祥子[荷物のことは気になっていたが、彼女が誤魔化すようであれば 「配達員の方がいつもの方とは違いましたよ」なんて話題で誤魔化しを受け止めて流すつもりであったが 暫しの逡巡のあと ───────その表情の変化すら、私は愉しんで見ていた。 いつもと違う表情の奥に、なにが隠されているのかを探るように、じっくりと 彼女のひとつひとつ全部を、 記憶に留める為に] お嬢様 [声を掛けて立ち上がると、テーブルを回り込んで彼女の傍らに立つ。 ポケットから出したハンカチで、彼女の口元を拭う] お口元に少しソースが [ハンカチについたカルボナーラの白濁なソースを見せた後、ハンカチをポケットに戻して食器を片付ける] それでは、浴室の用意が出来ましたらお部屋まで呼びに参ります。 [一礼して彼女の傍を去った**] (83) 2022/11/02(Wed) 5:22:55 |