【人】 巫凪 桜花[名を呼ばれる。彼のくれた名前が好きだった。 震えるその音さえ、柔らかく鼓膜をくすぐる>>45 温かな腕が、抱き寄せてくれる。 迸った言葉の先にあるものを、正しく理解しているだろうに。 真っ白な部屋の真ん中で、引き寄せられるまま、 二人寝台に転がった] うん。…うん。知ってたよ、ずっと。 [味方だよ、と告げてくれる声。 そのことこそ、本当に解っていたこと。 全て教えて欲しいと促しながらも、今でなくともいいのだと 猶予まで添えて。 思わず、笑みが零れた] 優しいね、羅生は。 [それが、誰かに施されたプログラムの出力結果だろうと、 脳に巡る無数の電気信号の産物だろうと。 己にとって、さしたる違いはないのだ] (86) 2023/11/23(Thu) 23:27:59 |