【人】 幕末のライダー シロガネ[故に。信じてくれと告げる彼に 向ける顔は珍しくも無表情に惑いが滲んでいたことだろう] —―馬鹿には、せぬが。 クガネ、お前は恋情を勘違いはしておらんか。 私は、半身だからこそ、お前が何よりも 仲間を、家族のように大事に思っている、のを。知っている。 それが最近、何が原因かは愚かな私にはわからない、が。 気まずく、なってあまり顔を合わさなくなった、こと。 それに対する罪悪感と、依存では、 ないと、本当に言えるのか? 甘える、のであれば幾らでも。甘やかしはしよう、が。 信じてくれ、と言われても、私は。 その心を信じた結果 やはり違っていたのだ、と理解したお前を ……また、私が。傷つけるのが、こわいよ。 [ふるふると、握られた手のままで首を振る 己の指には朱金色の輪が収められているものの 今はそれがどこか鈍く輝いている まるで今の心のようで、あった] (87) 2019/04/08(Mon) 8:26:03 |