【人】 墓守 トラヴィス>>86 イクリール 「んん。いや、食べたことは無かったからね。私。はじめての食材……ともなると、やはり感想はそうなりがちというところはあるよ」 『私』という食材は初体験である。 別に2度目は要らないが。 「不味いものは要らないが……いや、そうだな。君の技術に関心しているのは否めない。私の舌は肥えている筈だが、味を評価するだけならば、私が満足を覚えるほどだ。……ここまでなら、数いる『有能なシェフ』と言ったところだが」 しっかりと食べ終えてしまって、苦々しい顔でため息をつく。全く、『トラヴィスの食べるもの』として違和感のない味なのが、腹立たしさが無くはない。正直なところ。 「……貴様は、『歴史的に調理法の手法蓄積のない物質』を、『食用として管理されている訳ではない』質のものを、『調理法が研究され尽くした食用目的の高級品』レベルに仕上げている。…………憎悪するほどの才能だな。胸焼けがするよ」 (87) 2021/10/19(Tue) 3:45:59 |