>>77 ミン
独り言にしても、この華やかな祭りには相応しくないものが漏れてしまったらしい。
親切な女性を前に頬を掻いて、ひとつふたつ、目を逸らす。
「……ああ、いや。……」
苦笑して、杖を掴む指を立てる。下手な誤魔化し方。
「…この足で全てを巡るのは、なかなか難しいかな、と。
……という事で…、どうだろうか。
何にせよ、大した事ではないさ。
ありがとう、お嬢さん」
蜜の入った小瓶を見て、改めて彼女の顔を見下ろした。
「ミリアン殿……といったかな。仰る通り。
ラサルハグだ。…妖精同士、ひとつ宜しく頼む」