【人】 不覊奔放 ナフ>>88 アマノ 「ルヴァとやり合った」 端的に伝えた。けろりとしているところと、あっさり告げるところから、揉めたのではないということと蟠りはこの男にはないということくらいは伝わるだろうか。 「うン。……変な話だがァ、アマノ、俺ァよ、なンかァ……この期間で、ようやく考えることを許された気がするンだ。いや、考えはしてたンだけど、考えたからこの監獄にいるンだけどォ、」 相変わらず脳内の思考というやつはうまく言葉に纏まってくれない。それでも、一番初めにあなたの部屋に訪れて話した時よりは少しはマシになったんだろうか。なってたらいいなと思う。 そして、あなたの言葉を聞くと。 より一層強くぐりぐりと頬をあなたの頭に押し当てて。 「 忘れるかボケェ! いーかァ?よく聞け?お前多分自分で思ってるよりずーッと俺のこと好きなンわかりやすいしィ、すぐ忘れられるようなモンじゃねーからなこンなん!俺のもそーだよ、何のためにあンだけ言葉ァ探し回ったと思ってンだ!忘れられっかこンな、初めてで強烈なモン!」 「だから」 「すげーイイコにしてみせッから、待ってろ」 悪魔でいることを選んで、悪の糧となることを望みはするが。 あなたに会いに行くために、イイコを演じることは、辞さない。 (90) 2021/10/19(Tue) 4:10:54 |