【人】 1年生 朝霞 純>>91 [次に問題が起こったのは、小学生の頃。 お弁当を持参して、その中身がいつもいつも野菜メインだったのに疑問を抱いたのだろう。 給食の時間に、女の子が私に言った。 “純ちゃん、お肉食べなよ。 お肉食べれないなんて変だよ。おかしいよ。 食べてみたら美味しいって分かるよ、私の唐揚げ一つあげるね” そう言って、私のお弁当箱にころん、と唐揚げが一つ乗っかった。 私は首を傾げた。 食卓では肉料理など出たことがなかったので、唐揚げの存在を知ってはいても、見たことは殆どなかったのだ。 おずおずと同級生の方を見ると、彼女は満面の笑みで、あげる、ともう一度言い。 私は断れずに、唐揚げを食べてしまった。 お昼休みまでは、そんなにおかしなことはなかった。 けれど徐々に気分が悪くなって、私は教室で吐いて、そして倒れた。 先生と同級生の女の子は、私のお母さんとお父さんに、物凄い剣幕で怒られていた。 そうして二人が、両親に謝るのを私は聞いた。 私は、断ればよかったと思った。] (92) 2022/09/06(Tue) 18:51:34 |