人狼物語 三日月国

148 霧の夜、惑え酒場のタランテラ


【人】 ユスターシュ

 

 いやぁ、マスターには感謝だな。
 死んでなお酒が飲めるって最高じゃねーか。


[そう言って、それでもどこか焦がれるように外を見る。

 まだ、己には強い未練があると
 自分で分かっているからだ。

 死亡してからもう三年。

 それだけ経ってしまっている。
 未練の先の相手の行方は未だ知れず。

 精神が参っていた特に迷い込んだこの酒場に辿り着いてからもう半年。
 当時の自分を知る酒場のゴースト仲間がいたのなら、その焦燥しきった姿は今とかけ離れて見えるだろう。

 彼女の幸せと無事を諦めきれてはいない。
 それでも、半端者の男は自嘲するように飲んだくれ、ヘラヘラ笑うばかり。]
 
(93) もやむ 2022/05/20(Fri) 19:53:12