【人】 朧广灯 リヒトーヴ― 回想:新人類 ― [ 機械にとって、紙には不思議な縁がある。 たとえば『孔雀革命』の本来の主―― 機械を"友"とした者。友は、それをよく用いていた。 機械が筆記を心得ているのはそこに由来する。 全く縁のない存在から紙を貰ったこともある。 コンポストから発見されたそれは、 現在、機械の私室にある写真立ての中に保管されている。 その傍らに機械はあの白い鳥を置いた。>>67 思えば、人類は本当に鳥をよく好んでいた。 ……机を一瞥したが、相似する物はない。 だから、機械は己の持ち歩く紙を細く切り取った。 その上に紙の鳥を、そのくちばしが重なるように置く。 白き鳩、白き枝。 その物語を人類は好んでいた。本当に。 ] (94) 2023/11/21(Tue) 1:28:42 |