[このチャペル自体が
彼を飾るために誂えられた標本箱のようだ、と
そう思った瞬間には
腕によりを掛け
丹精込めて仕上げたい衝動が吹き荒れて
乱れた髪を美しく整えようと
手を伸ばす。]
────…っ、
[だが、彼は首を振って拒んだ。
汗に濡れた金色が
指の隙間からするりと逃げていく。
それは、繰り返し見続けた夢
>>90に似ていた。
南国の蝶にも優る煌めきを
瞳に宿した主を捕らえようとした瞬間
飛び起きて、儚く消えてしまう。
その時の気持ちとも……]
(95) YA'ABURNEE 2020/09/28(Mon) 7:14:18