【人】 受験生 雨宮 健斗[先生にはああ言ったものの、 流石にBBQに参加する気分でもなくて、 ぼんやりと部屋に向かって歩いていた。 部屋に戻っていいものか、と目を伏せる。 けれど行くところも他にない。 室内には誰も居なくて、足音が重く汚く響く。 賑やかな声が漏れ聞こえていて、 ふいと窓に目を向ける。 月が、綺麗だな、と思った。 文豪が意訳したその綺麗な文章を、 知らない訳でもなかった。 昨日の風呂を思い出す。 (95) yukiyukiyuki 2020/11/30(Mon) 14:14:54 |