…うん。
[謝ることなんて何もないのに、すみませんから
言葉を続けるハニエルさんの顔を私は見つめた。
>>87いくら目を凝らしても霞の覆われた表情はわからないから、
ただじっと、その口から齎される音に耳を傾けて、]
…手で触れるのでなく「読む」ことで「知る」──
[その考えを小さく反芻していく。
その中で、私でもそれが出来るのだろうかと考えて、
ハッとした。
だって、子供じみていると思っていたのも、
手を伸ばしながら、触れることが出来ないと
心の何処かで諦めきれずに諦めていたのも
私のほうだって気付いてしまったのだもの。
]